「バカ織川…。」
籠った声が俺の耳に届く。
ったく…相変わらず素直じゃねーの。
「じゃ…私もう行くから。用は済んだし。」
女はしれっとした表情で立ち上がり、その場を去ろうと歩き出した。
「え…」
それと同時に久留米も俺から離れて、ゆっくりと痛む場所をかばうように立ち上がった。
「李奈!!!」
……?
久留米は叫ぶように女の名前を呼んだ。
少し遠くにいた李奈という女は、立ち止まってこちらを向いた。
「あんたのこと許さない!一生許さない!!!だけどね、こんなことに努力してんな!!ちゃんと…好きな人に伝える努力、しなさいよブァーーカ!!!」
「……。」
俺も久留米の後ろに立って彼女を見据える。
あざだらけのくせに、堂々としてやがる。
…お前らしいじゃん。



