「どうして!...どうして何もかも奪って行くの!」
俺がその場に言ったとき、久留米は誰かの上にまたいでそいつの手を地面に押さえつけていた。
......っ。
俺は久留米が押さえつけている女の顔を見て、足を止めた。
あいつ...。
「なんでかって?...そんなの決まってんじゃん。...嫌いだからだよ。」
その女の顔は、どこからどう見たってあの美術室で俺に迫って来た女だ。
「許さない!!!」
そのとき久留米の片方の手が上に振り上げられる。
「久留米っ...!」
俺は固まっていた身体を解いて、その手を掴んで止めた。
「織川......?...なんで」
そう言って俺に顔を向けた久留米の目には、溢れる程の涙が溜まっていた。



