そうか…だから…。




「最初はそのまま廊下で盗み聞きする予定だったんだけど…途中で彼が来たの。」


「彼…?」


「織川くんだよ。」



織川…。


そうだった。

途中で織川は教室に入って、無理やり私の手を引いて学校を出た。



「だからすぐに帰ったけどね、ちゃんと聞こえたの。東堂くんが、好きだって言ってるところ。」



鋭い目つきで私を見つめる李奈。



「だからこらしめてやろうと思った。なのに、なのに…織川くんといい感じになってるあんたに、腹が立ってしょうがなかった…っ。」



待ってよ…。


なんで私は李奈にそんなこと思われなきゃいけないの…?