【完】素直になれよ。






「ね、ねぇ、これ…ちょっとヤバくない…?」


私の様子を見た一人が、ひそひそ声でそう言ったのがかすかに聞こえた。



「そうだよ優子っ、早く逃げよう!」



…なんだ。助けてくれるわけではないんだ。



「じゃ…またね、久留米さん。」


優子の声が聞こえてからすぐに、ゾロゾロとその場を立ち去る足音がした。


またね…?


あんたらとなんか、一生会いたくない。




「…っ。」


身体を起こそうとすると、身体中に痺れるような痛みが走る。



やっとの思いで地面に座る体勢に戻り、鉄の扉に身体を預けた。



背中がひんやりと冷たい。



昨日、織川に押さえつけられたときも確か…こんな感じだった。



「…あれ、久留米さん?」


……?


そのとき横から、甘ったるい猫なで声が聞こえた。



この声は…