【完】素直になれよ。






彼らの背中を横目で見つめる。



きっとまた、『あの男たらしの久留米だ』なんて言ってんのかな...。




「あれ......久留米さんじゃない?」


「あ...ほんとだ。どうしたんだろう...うちのクラスになにか用かな?」


「もしかして、織川くんに...」



廊下の窓から女の子たちがひそひそと話しているのが分かる。



...丸聞こえだよ。

なんだかちょっと恥ずかしくて、思わず顔を俯けてしまう。



いつも思うけど、私って地獄耳...?




嫌な事なんて全部聞こえなくなればいいのに。





「......久留米?」



そのとき急に、私の名前を呼ぶ声が降ってきて、顔をあげた。




「織川...。」