「衿華……。」
鼻をすする私をみて、もらい泣きをする紗希。
「その、衿華にキスした人って、誰なの?」
「あぁ…。高校入ったばっかの時、私に告白してきた男がいたって、言ったでしょ?」
「…うん。……て、まさかその人?」
「そう。」
「じゃあもしかして、まだ衿華のこと諦めてないの?っていうか、元はと言えばその人のせいで衿華の誤解が……。」
そこまでいうと口を尖らせて、紗希は悔しそうに俯いた。
紗希には誤解が生まれてからすぐに、それまでの出来事を話していたんだ。
そうじゃないと、耐えられそうにもなくて。
「もしかして衿華、その人に傾いたり…しないよね?」
紗希はまた心配そうに私を見つめた。
「私が好きなのは…絶対、織川だけだよ。」
傾くわけない。
たとえ何があっても、私の真ん中にいるのは、
織川しか…考えられないんだ。



