【完】素直になれよ。






息が苦しい。

苦しいよ織川。助けてよ。


「……っ…。」


私の足は棒のように、
床に突き刺さっているかのようにビクともしない。


背筋が凍りついたように寒気が走る。



バカじゃないの…、私。



あんな言葉一つ、二つで…期待なんかして……。



大体、彼女でもないのに
どうしてこんな…裏切られたなんて思うの……?



「結斗…くん……」



甘い声が、私の耳にも届いた。



そしてその声の主は
織川の胸から顔を離して、上目遣いで彼を見上げる。



そのときに見えた顔。


ガタンッ。

___っ…。



動揺した私は震える肩を扉にぶつけて


反射的にそこからいく宛てもなく、廊下を逃げるように走り続けた。