【完】素直になれよ。








私を呼ぶ声が
少し遠くから響いてくるような、

そんな感じがした。



......気のせい?



作業をしている最中で
首をひねることが出来ない私は、

そのまま無視して作業を続ける。



あれ...

だけどやっぱ...気のせいじゃない?



スタスタと近づいてくる足音を聞いて、私はそう思った。





誰...だろう......。




「久留米さん、何してるの?」



すぐ隣でそう呟かれる声に、私の肩はピクンッと跳ねる。




作業を終えた私は
声のするほうに目を向けた。



「――――――......」



私の名前を呼んでいたのは、東堂渉だった。