【完】素直になれよ。





しゃがんでいるせいで
視線がピッタリ久留米と重なる。


「…織川……?」


彼女はいままで聞いたことがないほどか細い声で

俺の名前を呼んだ。


「大丈夫か…?」


そう問いかけると
久留米はなにも言わずに

ゆっくりとベッドに手をついて
上半身を起き上がらせた。



いつもハーフアップの髪の毛は
ベッドに寝たせいか

ゴムが取れてくしゃくしゃになっていた。



「衿華ちゃん…」


俺とは反対側にいる桜井も
心配そうに呟いた。



俺も立ち上がって
まだ完全に開ききっていない久留米の瞳を覗き込む。



「嫌な夢、見たのか?」



「…織川……。」



俺の瞳をその弱々しい目で見つめる久留米に

小さく脈を打った。