【完】素直になれよ。





俺がそんなことを考えている間に

桜井は薄手のブランケットのようなものを

久留米の腰あたりにフワッとかけていた。


「う……」


すると今度は寝返りをうって
また小さなうめき声をあげる。


「や…いや……」


ずっとその言葉だけを繰り返す久留米。



寝言だとわかっていても
俺の胸の中はザワザワと落ち着かない。



ベッドの傍らに近づいて
久留米の顔をそっと覗く。



よくみると
何かを恐れるように目をギュッとつむっていて、

露わになった額には
微かに汗が流れていた。



…そんなに苦しい夢…見てんのかよ……。



不安だけが
俺の胸に突き刺さる。


久留米が苦しむ顔は

理由はなんであれ
もう絶対、見たくねーんだよ…。