「けど、いま衿華ちゃんを…そういう風に可愛くさせてあげられるのは……俺じゃない。」
「……。」
「俺はもう、それが誰なのか…分かってるよ。」
俺の目をじっと見つめて言う。
「それって…」
そう、俺がいいかけたそのときだった。
____「いやっ…!」
カーテン越しに
悲鳴まじりの久留米の声が聞こえたんだ。
「久留米…?」
「衿華ちゃん?」
俺は桜井と頷き合って
椅子から即座に立ち上がり、
シャッと薄地のカーテンを全開にした。
「…んだよ……寝言かよ」
俺はベッドにまだらに広がる
明るい茶髪の髪の毛を目にして
ほっと息をついた。
どんな夢みてんだよ…。
…なんだ俺。
夢の中まで覗きたいだなんて
マジでどうかしてんのかも。



