【完】素直になれよ。







もしかして、そんな理由で
この犬のぬいぐるみをとろうとしてたわけ?!


「サイテー!」


私は織川から背を向けて歩き出す。



「いーんじゃねーの?犬だって。たまに可愛いとこあるし。」


「は?」


私は織川の方にまた体を向けた。


「犬って最初は吠えたりすんのに、餌あげたり撫でてやったりすると…途端に可愛くなんだよなー。」


「…どうゆう意味よ。」


「そのまんまの意味だよ」



そういいながら
またいつもの腹黒い笑み。


そして私に近づいて、
手の温もりを私の頭の上に預けた。



「な…にしてんの…?」


「ほーらよしよし。いい子いい子。」


織川は私の髪の毛を
わしゃわしゃと撫でながら

すこし姿勢をかがめて
メガネのレンズごしに私の顔を覗いてくる。




〜〜〜っっ…!



「バカッ!離してよ変態!」

「そんな顔真っ赤にして言われても、全然怖くねーけど?」



こいつーっ……。