【完】素直になれよ。








「...織川?」




震えた声で俺の名前を呼ぶ。




「...っ。」


それに煽られて
俺は久留米を抱きしめる腕を強める。




「ちょっ...苦しい。」



「...嫌なら......振り払えよ。」



「.........。」



「一人で...抱え込もうとするなよ。」




誰もいない生徒玄関に

俺の小さな声がやけに響いた。




「......ん...。ありがとう。」




なんだよ...


今日はやけに素直じゃねーか。



俺は気付かれないように、静かに笑った。