人ごみの中を夢中で駆け抜ける私。
織川の手が頭に触れて、身体中熱くなって
美優さんが来た途端に心臓がザワザワして
織川のこと嫌いなはずなのに、嫌いって言葉が出てこなくて
本当に...どうしちゃったの私っ...。
「衿華?!」
「......??」
少し遠くから私の名前を呼ぶ声。
......紗希??
声のする方に振り向くと
息を切らしてこちらにやってくる紗希の姿。
「ごめん衿華っ...、衿華がトイレ行ってる間に欲しいもの目に入っちゃってさぁ......。って衿華聞いてる?」
「へ...?」
私の頭の中で渦巻いているのは
紗希の言葉じゃなくて......
「なんかあった?」
紗希は心配そうに私を見つめた。



