「・・・・・ごめんな」

「えっ?」

突然の言葉に戸惑う。

「気付いてやれなくてごめん」

「どうして・・・?」

どうして夏樹が謝るの?

「俺が頼りないから、言えなかったんだろ?」

違うよ・・・・。

「相手は、誰なんだよ・・・・・・」

夏樹が消え入りそうな声で尋ねてきた。

「・・・・グスッ・・・・ふぇ・・・・・」

バンッ

「っ?!ゆり?思い出したくないくらい嫌なヤツなのかよ?まさか無理矢理?!」

突然泣き出した私に驚いたのか夏樹が慌てて部屋に入ってくる。

「ゆり、悪かった。もう聞かないから。泣くな」