「何年ぶりだ?俺が大学入る時だから5年か?」
コップを2つ持って春斗さんがソファーに座る。
「ゆりコーヒー飲める?」
春斗さんが氷の入ったコップにコーヒーを注ぐ。
「子どもじゃないんだから」
春斗さんの言葉に笑って答える。
「んー、でも俺の中ではゆりは中学生のままだからなぁ」
「弁護士になんかなっちゃった春斗さんからしたら全然子どもですよね」
春斗さんは国家試験に合格したと夏樹から聞いていた。
「たいしたことないよ。まだ新米だし。気使わないで昔みたいに"春ちゃん"っ呼んでくれていいのに」
気使うでしょ。
弁護士なんて住む世界ちがくない?

