夏樹の家を前にして、急に緊張してきた。

大学に進学するまで毎日のように通っていた家の玄関なのに、いつもと違って見える。

心臓の音が速く大きくなった気がする。

小さく深呼吸して呼び鈴に手を伸ばす。

ピーンポーン

懐かしい呼び鈴の音。

ガチャ

ドアはすぐに開いた。

「・・・・・ゆり?」

中から顔を出したのは、春斗さん、夏樹の4つ上のお兄さんだった。