「夏樹、以外に優しいね」

「以外にとはなんだよ。俺、弟か妹欲しかったんだよね」

俺には4つ年上の兄貴がいる。

「夏樹、子ども好きなの・・・・?」

ゆりがそう尋ねてきた。

少し、声が震えている気がする。

「あぁ。5人くらい欲しいな」

なんて夢みたいな話だけど。

現実的に無理だろ。



「ゆり、ゴメン。間に合うか?」

ここに来てから30分以上経っている。

「ん-、今日は休もうかな・・・」

ゆりが考えるような表情をする。

「まだ具合悪いのか?」

「ううん、実家に用事があるんだよね」

やっぱりどこか悪いんじゃないのか?