「今日も暑い~」
ゆりが太陽の光に目を細める。
「こっち」
無理しないで日陰歩けよ。
そう優しく言えたらいいのに。
「また倒れられたら迷惑」
そんなことしか言ってやれない。
「クスッ・・・はぁぃ」
でも、ゆりは言わなくてもわかってくれる。
そういうヤツだ。
ゆりが駅前で立ち止まる。
視線の先にはワゴンのコーヒーショップ。
ゆりはいつもそこで砂糖がたくさん入った甘ったるいカフェオレを買う。
「行こっか」
でもゆりは改札の方へと進んだ。
「買わないのか?」
「今日はいい」
ゆりは少し寂しげだった。
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