聞きたかった言葉とは裏腹に皐月にエールを送った。 「うん、星くん……剣道大会見にこれる?」 らしくないと思われたのか不意に皐月が問いかけた。 「あったり前だろ!!俺がくるんだから絶対勝てよな!!」 強がりかもしれないけど、余計な気を今はかけたくなかったし素直に勝って欲しかった。 あの日、何が皐月をそんなに剣道にひたむきにしたかはわからないけど……皐月が自分で決めて勝ちたいと言った気持ちを信じたかった。 だから俺は言いかけた言葉を飲み込みこの日は電話をきった。