「あっ……。いや……。」 はぐらかすように私は縫いかけの衣装に手を伸ばした。 「いや…………って感じには見えないなー。 なんかあったの?」 小春さんは悪戯な笑みをうかべてまち針をピンクッションにさした。 「ちょっと……ボーっとしちゃって……。」 「ふう~ん……。 そーいえば先生から今日電話きたよ!!」 「えっ??」 小春さんの言葉に私はビクリ…と体を震わせた。 その様子を見逃さなかった小春さんは肩を震わせて笑った。