「嬉しい……っていえば嬉しいけど……なんだか実感わかなくてさ…。
あっ、そーだ!! 甲原さん道場にヨウちゃんを家に送ったあとよってもらいたいだけど……!!」



「道場に………ですか? 構いませんけど……!!」


突然の俺の申し出に甲原さんは言葉を濁した。



「皐月にもこの事知らせなきゃいけないし…俺も確認したいことあるからさ!」


「それは……そうだよねー!!
きっと、皐月ちゃん喜ぶよ!!」


俺に逆恨みしてなぐりかかろうとしていた同じ人物とは思えないほど浮かれた声をあげるお人好しのヨウちゃんを尻目にこっそりと甲原さんが呟いた。