珍しく重々しく言葉を濁す様子に二人とも…つられたように深く溜め息をもらした。 「皐月さんのご両親にはもうご連絡ついていらっしゃるのですか?」 重苦しい空気をあえて一掃するように梓さんは甲原さんに尋ねる。 「一応、先程ご連絡はつきましたが…会長は事を荒立ることはないと仰ってるらしくてお嬢様にはピアノの方に専念するようにと強く希望なさっているらしいのです。」