その写真立ての中に映る男性に囲まれた女性に見覚えがあった…。いやその女性を知っていたからだ。


古ぼけたセピア色の写真をじっとみつめる私、そこには遠く幼い日によくピアノをひいたお婆様ににていたからだ。

なぜ…星くんの自宅にあるのだろう。
おのずとそんな質問で頭の中がいっぱいになった。



「どーしたの??」


食卓を拭きにきた小春さんの声に驚きそのままなにもなかったようにその場をさったけど…その写真立ての事が頭から離れずせっかくの小春さん指導の料理の稽古も上の空でやり過ごすのだった。