「ーーつきました。」


俺の家とは比較にならない洋風の門構えをぬけて中央にこれまた石像の芸術的な噴水がお出迎えしてくれる周囲をうせつして玄関らしい場所に車を横付けした甲原さんはサイドブレーキをひき車から下りると俺の乗っている車のドアを開けてくれた。


「あ……ありがとうございます。」


「お嬢様、私めに敬語は必要ありません。
労いの言葉をいただけるのなら…ご苦労様。もしそれが難しいならせめて…ありがとうでとめていただけますか?」


車内から下りるなりのダメだしにすみません…と言いそうになった言葉を飲み込みわかったとうなずいて改めて玄関の前にたつ。