「じゃあ…!!」 朝日が昇りはじめ街並みを明るく照らすころ… 梓さんの自宅前で皐月と向き合い一先ずそれぞれの家路の帰途につく。 頭の中では皐月…うまくやれるかな?…とか、自分の置かれた状況よりも皐月の事ばかり考えていた。 「本日のピアノの先生には…お嬢様は体調不良ということで私が楽譜を取りに伺ってきます。 」 バックミラーを睨みながら甲原さんが俺を労い静まりかえった社内の思い空気を第一口でクールになぎ払った。