「す…スゴイ…。
俺…鳥肌たつほど感動したよー。」
「わ…私も……!!」
パチパチと二人は拍手喝采でピアノの演奏を終えた俺と皐月へと詰め寄り声を震わせた。
「…ありがとう…。」
皐月はヨウちゃんと梓さんに対してお礼を述べると…甲原に視線を移した。
甲原さんは…腕組みをしたままただ静かに沈黙を保っている。
次第に俺達もやがてその沈黙に押され甲原さんを見つめた。
「―――説明…してもらえますか?
二人が…逆になっている事を――――!」
その視線に気づいたのか…甲原さんはやがて俺と皐月を指差して重いため息をついたものの俺達は彼のその一言にフッ…と緊張の糸がほどけた。

