野太い声を放ち怯える大の大人…二人の襟元をがっしりと掴んで星くんを促した。
「ひぃえええっ―――!!!!!
お…お助けを―――!!!」
雄叫びをあげる二人の襟元を一掴みしたまま…そのままブンっと腕を振り回されたままお祖父様の目前に投げ出された。
二人は体勢を崩し床にひれ伏したまま震えながら動揺する姿にますます情けなくなり私も星くんも顔を見合わせて大きな溜め息を同時についた時だった…。
道場の入り口が勢いよく開いた扉の向こう側からボーイッシュな女性がこちらの様子を窺う姿が目に飛び込んできた。
「姉貴!!」
ポツリ…と星くんの言った言葉に近くにいたお祖父様は声をあげる。
「小春!!
星とこのお嬢さんをお嬢さんの友人宅まで送ってあげなさい。」

