「ほら、藤堂くん、教室へ戻りなさい」



「せ、先輩…!!」



「ほら、行きなさい」



「先輩…俺、弁当ないんです…!!」





私にすがりついてくるこいつ。





「購買に行け購買に」




ちひろがお弁当を食べながら藤堂くんに言った。





「若宮先輩………ちょっとだけ分けて…?」




「分かった、あげたら教室に帰る?」




「帰る」




はぁ…と私はため息をついて食べかけのメロンパンを半分にした。




小さい方を藤堂くんにあげる。






「っしゃ、ありがと、先輩、バイバイ」



手を振りながら教室を出て行った後輩。