「ん…うぬ……っっ……あっ!」
手に金属っぽい感触。
指先に少しだけ触れているそれを上手く指でこちらに近づける。
「取れた!」
「あ、ありがとうございます…」
彼を見ると笑って私を見ていた。
「なんかごめんね?変な姿見せちゃって、お金だったし、ちゃんと取らなきゃなって思って…」
「いや、…俺的には超助かったんで…なんかお礼…」
私は立ち上がって袖についた汚れを掃った。
「いいよ、別に、じゃ」
「あっちょっ、待ってください!あの、学年と組と名前…」
必死に私を追いかけてくる彼。
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