なんとなく翔から目線を外すともう家は目の前だった。




「翔、私の家そこだから」




「へー……綺麗っすね」




「そりゃどうも、じゃね」





翔に手を振って玄関の鍵を鞄から取り出す。






「先輩…なんで鍵なんですか?」




「1人暮らしだから」




「海外とか…ですか?」




「あー……ウチの親、離婚してお父さんと暮らしてるんだけど、毎日仕事で帰ってこないから」






翔を見るとびっくりした顔で私を見ていた。





「先輩…寂しくないんですか?」




「え?いや、別に…寂しくはないけど?」





可愛くないけど、寂しくはないな…