私はお湯を沸かして、
コーヒーを入れた。
「実冬、愁とは上手くいってる?」
コーヒーを飲みながら真剣にそう聞くこうちゃんは、
きっと何にも知らないんだろう。
「……死んじゃったの。」
涙が溢れそうになる。
死んじゃった……
その一言を口にして、
やっぱり愁くんは死んじゃったんだ
って実感した。
「それ、本気で言ってる?」
「うん。……一昨日ね、事故で。」
……あえて、自殺とは言わないでおこう。
こうちゃんは、顔を曇らせて
「そうか……」
そう、たった3文字を呟いた。
そして、
「……っ!!!」
私を思いっきり、
……━━━抱き締めたの。

