しばらくすると、 こうちゃんが教室に入ってきた。 「……そろそろ、帰るか?」 「うん。」 こうちゃんは、 私と目を合わせてくれなかった。 ……嫌な予感がする。 ━━━━━━━ 「……寒いなー。」 「もうすぐ、5月なのにねっ。」 4月の終わり頃とは思えない、 冷たい風が吹く。 「…………あのさ。」 「なぁに?」 「……別れて、ほしい。」 突然のこうちゃんのそんな言葉に、 私は立ち止まった。