私はしばらく、
その場を動く事が出来なかった。
━キーンコーンカーンコーン キーンコーンカーンコーン
というチャイムの音でようやく
はっとなり、
自分の席についた。
すると、隣の愁くんが
「真理亜に呼び出されてたみたいだけど、何か言われた?」
愁くん、真理亜ちゃんのこと
知ってるんだ。
「……昨日、こうちゃんと帰ってるところ、見られちゃったみたい。」
私がそう言うと、
「……大丈夫か?なんかされたら、言えよな?あいつ、白浜奪うためなら手段選ばねぇと思うし。
気をつけろよ?」
あ、そういえば愁くんと真理亜ちゃんは同じ中学校出身だったんだ……
真理亜ちゃんの怖さに、
私は思わず溜め息を溢した。

