「……何かの見間違いじゃない?」


やっと我に戻った私は、

そう言うのが精一杯だった。



「私はこの目でちゃんと見たの!!!
なんなら、証拠だってあるのよ?」



「ぇ……」



私は言葉を失った。


すると真理亜ちゃんは、




「晃太とは、別れてもらうわ。
きっと、晃太もそうするしかないでしょうしね。」



そう言ってニヤリと笑うと

私の反応も見ず、スタスタと自分のクラスへ戻っていった。




最後の言葉が気になってしょうがない。


まだ、

《晃太と別れて!!!》

なんて言葉を叫ばれた方がマシだった。



《晃太もそうするしかないでしょうしね。》


その言葉の裏には、

何か黒い影が見えた気がした……