ほんとに、スキ?



放課後、私はまだ帰っていないはずのこうちゃんを探してた。



「ぁ……!!!」




私の視線の先には、

職員室から出てきたこうちゃんの姿。



まだ私には、

気づいてないみたい。



私は声をかけようと、

近づいた。



二人の距離が、3㍍程になったとき

やっとこうちゃんは私に気づいたようだった。



パチッと目が合う。


だけどすぐに、

反らされた。




「こうちゃん!!!」


すれ違う寸前に、

私はこうちゃんの名前を呼んだけれど


こうちゃんは

無視して私の横を通りすぎた。





この瞬間、

私のなかで何かが崩れた。




「もう、スキでいること、辞めよう。」



そう呟いて、

私は学校を後にした。