……放課後。
ありすは今日塾だから、
一人で帰ることになった。
すると……
「実冬ー!!!」
突然名前を呼ばれた……
この声は……
「飛沫……」
後ろを振り返ると、
10㍍ほど先から走ってくる飛沫の姿が見えた。
「ハァー……追い付いた。」
息を切らす飛沫。
「飛沫、どうしたの?」
「一緒に、帰ろーと思って!!!」
飛沫は、満面の笑みでそう言った。
それにつられて、
私も自然と笑顔になる。
飛沫は、周りの人を笑顔に出来てすごいな……
「いつも、一緒に帰ってる人たちはいいの??」
「いいー。実冬と、帰りたいから。」
「え、何で?」
と私が尋ねると、
「実冬の後ろ姿が泣いてたから。」
切なそうな顔をしてそう答えた。
いつもは、やんちゃでおどけてる飛沫が
今日はなぜだか
……大人に見える。

