「、あ……くん？」



あたしはなぜか、明くんの腕のなかにいた。

驚きすぎて目を見開く。

どうして抱きしめられてるのだろう。


いつのまにか涙は止まっていた。


「雅はさ、ズルいよね？」

「え？」

なんのこと？
なにがズルいのか分からない。


「あぁ～！！」

そう言って、あたしをまた抱きしめた。

「俺がずっと言いたかったセリフ先に全部言っちゃうんだもんなー。」