学校ではまあ普通に接していた。
隣の席だし、
《胡乃葉》としてはクラスのみんなと
平等に仲のいい立ち位置に
しておきたかったから。
それだけ。
…こいつと特別仲良かった記憶とか
ないんだけど…?
しばらく歩いて
「そろそろ離して…?」
「あー、悪い」
本当に悪いと思ってるのか…
手だけは離してくれた。
「んで、渚ちゃんは
何してたの?」
なんでほぼ他人のこいつに
言わなきゃいけないの?
「学年トップが
こんな夜中に出歩いちゃって?
先生が知ったらショックだねー」
「…ショック?
あいつらが求めてるのは
学校の評判が上がること。
そんなのあたしには一切
関係ないね。」
「おー…これが
及川の素なのかな?
や…渚ちゃん?」
にやにやと顔を覗き込まれる。
こいつ、うざい…。
「俺はねープチ家出♪」
聞いてないし。
「…今夜、俺のとこくる?」
「は…?…意味わかって言ってる?」
「泊まるとこ欲しいんだろ?」
「………」

