部屋のドアと玄関のドアが、
同時に開いた。
幸い、あたしと和哉は
離れていたけど
先生と美紅が
あたしと和哉を挟んで
向かい合っている。
…あちゃー…
美紅は先生を見て、金魚のように
口をぱくぱくとさせている。
部屋の中の2人は
まだ気づいていないらしい。
「おっ、及川と
さ、齋藤か?!
おま、北山たちの部屋で
何して…っ!!!」
先生も驚いているようで
よくわからない
テンションになっている。
不謹慎だが
心の中で笑ってしまった。
「…すいません、
勉強のこと聞かれてて…」
あたしの頭はこういう時に
1番フル回転する。
「ば、べ、勉強ったって
別に今日じゃなくても
いいだろぉっ?!」
まだ動揺してんのか…
噛みすぎでしょ(笑)
「いえ…
バスの中で北山君と
話してたんです。
その答えがわかった気が
したのですが…
今日中に北山君に伝えないでは、
なんだかもやもやして…」
何も言わない様子から、
信じたのだと悟った。
一応追い打ちを…

