大好きなのは貴方の×××(仮)




「お前、やっぱあいつとシた?」

「なんで…?」

「……なんでもねぇ。悪りぃ…」



抱きしめられてるから
顔は見えないけど、

やっぱり悲しそうな声をする。



「あたし…カズとしたよ…?」


「……」



一瞬、腕の力が強くなった気がした。


「和哉が何を思ってるのか
全然わかんないけど、
あたしにとってはいつもの日常。


…なんで、そんなに気にするの?」



「…お前こそ、なんで俺らのこと
そんなに気にすんだよ…」



言われてみれば。


…こんなの気にしてたら
キリがない世界で
生きてきたはずなのに。


…あたしらしくない、か…。




もしかしたら…
関与しすぎたかもしれない…



誰かに頼って生きるなんて…
あたしには願っても叶わないこと。。





あの世界で
変な感情は必要ない。



自分の快楽と居場所があれば…



「ごめん…そうだね。
カズや和哉はまったく他人だった…

もう、何も言わないよ」



「……」



カズのことも、
あの医者のおじさんも…
あたしには関係なかった。




…めんどくさいことは
昔から嫌いだったよ……。










ーガチャッ



「胡乃葉ーーー!」
「北山ーーー!」



「「!!!!!!?」」