大好きなのは貴方の×××(仮)






「さっき…?なんだっけ?」

「…なんで、和哉は家出したの?」

「…過去形?」

「…は?今も家出中なの…?」



そこまで言って思い出した。




そういえば…カズが
そうだってことは、
こいつもお坊ちゃんってことか。。



「金は貰ってねーよ?」


あたしの心を読んだように
静か言った。


「金貰ってたら家出の意味ねぇし、
あんなボロいとこに
住んだりしねぇよ」



…確かに…
和哉の住んでるとこって…めっちゃ
汚い、古いとこだった…



「あーーー…お前…俺のこと好き?」

「…は?」







なんか、これカズにも
言われなかった…?




「嫌いじゃないけど…」


「でも、ちょっとムカつくって
思ってるでしょ?」


「うん」



まぁ、わかってるのかな?


「普通にお前…いいけど…」



また、手を引っ張られて
今度は和哉の胸の中に収まった。


「…なにしてんの?」


「んー…なんだろうね…
お前ってこー…無償に、
キスしたり抱きしめたりしたくなる」



そう言ってぎゅーっとしてくる。



…和哉の…匂い。


カズとはちょっと違う…甘い匂い。


「お前が…慣れてるからかな…」


「……」


知らないよ…そんなこと。

あたしは、さっきの話の続きと
変な行動の理由を聞きに
連れ出したのに…



この体温が、嫌じゃないんだもん。。