「…何がしたいわけ?」
「んー?」
さっきの態度のまま、
学校のいつもの和哉のままのキャラは
本当…むかつく。
「別に?俺は渚じゃなくて胡乃葉と
仲良くなりたいワケ~」
「…は?」
ゆる~い喋り方は続いた。
「胡乃葉って、可愛いじゃん?
そりゃ、男子としては可愛い子と
仲良くなりたいんだわ」
「な、何言って…!」
「あ、照れた?」
「照れてない!!冗談やめてよ!」
こんなの、
からかってるに決まってる!
「まったく…渚ちゃん?」
「今、あたしはーー…っこのーー…」
なんでこの兄弟は、
すぐにキスしたがるのか…
腕を引っ張られて
頭の後ろをがっちり抑えられる。
「んぁ…っ」
「こら、声だしたらばれちゃうよ?」
みんながいる部屋のドアを
ひとつ開けたら、すぐここにあたる。
だから、この状況が
バレるわけにはいかない。
…特に、あのお喋りな奴。
「かずっ…や…」
でも、このままじゃ話ができない…!
「もー…なに?」
頭を抑える手は緩めてくれたけど、
あたしを引き寄せる手はそのまま。
「何じゃなくて。
…さっきの質問、ちゃんと答えてよ」
さっきの…
和哉が家出した理由、とか。
結局はぐらかされて終わったんだ。

