途端に不気味に
ニヤニヤしだす美紅に
思わず警戒した。
「な、なに?」
「和哉くんたちの部屋行くまで
恋バナしてよ~よ!」
「恋バナぁ?」
…修学旅行かって…
や、修学旅行なんだけど…
「あたし別に何もないけど…」
うん、ない。
てか男を好きになれる生活
してないからね。。
「えぇー…
あの赤髪のイケメン違うの??」
思いもしなかった言葉に
思危うく咳き込むところだった。
「は、や…なんで??
美紅のこと襲おうとした人だよ?」
「んーー
だって襲おうとしたのは
前にいた2人で、赤髪さんは
後ろからついてきてただけ
みたいだし…」
ああ…
やっぱり、カズは違う。
カズといた夜を思い出す。
怪我を気遣って
あたしを無理やり抱きしめても
背中に回す手だけは優しかった。
キスは、すぐに治った
口の辺りに出来た傷を癒すように。
…最後の夜は
極上に、甘かった。。
いつのまにか、
あたしはカズにーーーー…
でも…何処にいるの…
今、何をしているの…?
「…胡乃葉、トリップしてる」
「……」
「胡乃葉ぁ!!!」
「……」
「…あ、赤髪さんだ」
「えっ⁈」
カズ…
…なわけ、ないか…
「胡乃葉…やっぱり赤髪さんのこと
好きなんだね~!」
「はっ⁈いやいやいや!
ありえないから!!!」
ありえない…
もしあたしが好きになっても、
いつ会えるかもわからないカズ。
きっと
可能性なんてないんだよ。

