「何…またキスでもする気?」
がっちり掴まれた右腕を
振り払うことが出来ない。
「…離して」
「信じるな…あいつのことは…」
信じるな…?
意味がわからない。
「和哉ーーー…」
~~♪〜♪♪
着信:齋藤美紅
「…出ないのかよ?」
美紅…ごめん。
あたしは電源を切って
ポケットに戻した。
「カズ…いなくなった」
一瞬、和哉が目を開いた気がした。
「ずっと…
学校に迎えにきた日の夜から…」
「知ら…ねぇよ…。
そうじゃなくても、
俺はずっと会ってなかったんだよ…」
やっぱり。
なんで、悲しそうな顔をするの…?
本当は信じたいんでしょ…?
カズもしてた。
綺麗な、悲しそうな顔。
和哉も…その顔は綺麗だ。

