「…渚、シよ…?」
消えそうで、でも
わがままな声。
こんな甘いカズ…はじめて見た。
だから、
いつものように答えてあげるね。
「…喜んで」
カズが何を抱えているのか、
何を思ってるのか、
全く分からない。
でも、今は
この手を離してはいけないと、
そう思ったんだーーー…
カズは、
すごくすごく優しく、甘く、
あたしを快感の頂点まで
何度も導いた。
「悪い…」
「なんで…謝るの?」
「……」
カズは見た目は怖い。
けど、本当は何を思ってるのか
わからない。
光のない目をしたと思えば
急に太陽みたいな目にもなる。
あたしよりも、
この世界で野良猫のよう…。
いや…
野良猫よりも…捨て猫…かな…

