突然目の前に
「和哉…」
「行くな…」
「は?…なんで?」
ただでさえ、
カズといたことで
目立ってたんだから、
仮にも学校イチのイケメン君となんて
いたくないんだけど…
「お前はあいつをわかってねぇ…!」
「わかってないのは和哉だよ」
あたしは無理やり和哉の横を
抜けて来た。
すれ違う時に小声で
言ったからみんなには
聞こえてない。
この兄弟はちょっと
異質なかんじ。
カズはさっきと
同じところにいた。
その雰囲気が怖いからか、
イケメンだけど
近寄れない女子たちが
陰にいっぱいいる。
「なぎ…じゃなくて、胡乃葉」
そして2人とも表のあたしを
知っている。
ほんと、嫌な兄弟。
「目立つ…」
無表情でポツリとつぶやく。
「渚になってるし…いいのか?
みんな見てるぞ」
…つくづくムカつく。
「ごめんね、待たせて!」
「いや、大丈夫」
何ニヤニヤしてんのーーー!!!
笑い堪えられてないし…!
後で怒る!!!

