「胡乃葉…
この人、前にーーー…」
あ…
忘れてた。
カズたちに襲われそうに
なったんだよね…?
あたしの後ろに隠れる美紅。
「でもやっぱり綺麗かも~…
わ、こっち来るーーーっ!
胡乃葉ぁ~っ」
あたしと目が合ったイケメンは
当たり前のように
あたしに向かって歩いてきて
目の前で静止した。
「胡乃葉…も、行こう?」
美紅があたしの制服を
ちょいと引っ張ったのと同時に
「胡乃葉…」
これ以上ないくらい
甘い声でイケメンが…
カズが、あたしを呼んだ。
本名ばれちゃったし。
「え…?胡乃葉って…」
激しく混乱して
更にあたしの後ろに
引っ込んじゃう美紅。
「大丈夫だよ」
「で、でも~っ」
「美紅、ちゃん…?」
「…っ」
「その…この間は
悪かったな」
カズが…謝るなんて
気持ち悪い…笑
「い、いえ…
特に、何もされてないし…」
こんなカズ珍しい…
ってか
なんかめっちゃ可愛いかも…笑
「胡乃葉と2人にしてくれる?」
「は、はい!!!!」
ちょっと見せた笑顔に
すっかり心を許してしまったのか、
あたしを置いてさっさと
何処かへ行ってしまった。

