大好きなのは貴方の×××(仮)



ーー




「…リュウ」

渚がいなくなって、なんとなく
さみしい雰囲気になるのは
この頃毎日だった。

「なぁ、七海…
あいつは…あいつは赤毛に
惚れると思うか…?」


「わかんないよぉ…
ナギが誰にいつ落ちるかなんて…」


「リュウ、お前…」





「………」



リュウの心情なんて
渚は知るはずもない。










「渚」

「カズ…」



「んだよ」

「…なんでもない」

「はぁ?わけわかんねぇ」



カズは
何もしてこない。


たまにキスとかされるけど
触れるだけの、静かなキス。




高価そうな部屋で
一緒にいるだけ。




わからない…

カズはなんであたしを
ここまで構うの…?



勉強なんて簡単。
やれば誰だって出来る。


でも人間はわからない。

人間の心は難しい。



「取り巻きの2人は?」

「あー…暴れてんだろ、どーせ」


特に表情は変わらないけど…


こんなこと言ったら
カズは驚くかな。




「2人とも…カズいれて3人。

あたしたちのとこに来る…?」




予想通り
目を見開くカズ。


「自由なグループだよ

いついても、いつ消えても
誰も関係ない。」



「あいつらは…
そうして仲間が増えてくこと
嬉しいだろうな…」


「…カズ?」


「俺はいかねぇ。
なんか嫌われてるみてーだし」


「へ?誰に…?」


「お前はまだ知らなくていい」



「…?なにそれ…」


なんか納得いかないけど…




「渚、おいで」


背中の傷を気遣って
優しく抱きしめてくれる。

不思議と、
心地いいんだ。

ここは…。