「…何者?
お前とたいして
変わらないと思うが?」
---ドクンッ
綺麗な…
綺麗すぎる声…
低い、その声は
思わず身震いしてしまいそうなほど―――…
なるべく冷静に
カズを見つめ続ける。
「齋藤サンを知らないのはなんで?」
「齋藤…警察官だろ?
知ってるよ」
口を開いたのは取り巻きの片方。
「じゃあ…なんで
齋藤サンの家の前で、
齋藤サンの娘を襲った…?」
話がしたいのはカズだ、と
思いを込めてカズに視線を
向け続けた。
口に浮かべた笑みは
見る人が思わず鳥肌が
立ってしまうほど
綺麗な…優しいものだった。
「警察なんて関係ねぇ。
やりたいように
やってるだけだ」
そう返すのはやっぱり
取り巻きのほう。
…どうやら
とんだ馬鹿だったみたい。
美紅を襲って
怖い思いさせて
「…あんたらとはヤらない」

